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心にナイフをしのばせて 

心にナイフをしのばせて 心にナイフをしのばせて
奥野 修司 (2006/08)
文藝春秋
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1969年春、横浜の高校で悲惨な事件が起きた。入学して間もない男子生徒が、同級生に首を
切り落とされ、殺害されたのだ。「28年前の酒鬼薔薇事件」である。
10年に及ぶ取材の結果、著者は驚くべき事実を発掘する。殺された少年の母は、事件から1年半を
ほとんど布団の中で過ごし、事件を含めたすべての記憶を失っていた。そして犯人はその後、大きな
事務所を経営する弁護士になっていたのである。

出版社著者からの内容紹介です。
これだけ読んだら、おぉなんてこと!と思ってしまいますよね…
これから先は私の感想です。1つの意見として聞き流してくださいね。
著者はまず被害者の母親から話を聞こうとするのですが、記憶が抜けていることから被害者の妹さんに
話を伺うんです。
事件直後の母親の痛ましい様子、それを寡黙に支える父…涙がこぼれるほど被害者の痛さがアリアリと
伝わってくるんです。
でも、妹さんは自分を卑下しすぎるんです。
そこがかなり気になるところなのです。
出来のよかった兄が死んでどうして自分は生きているのか…
両親に特に母親に反発していくのです。
でも自分はこんな反抗的で悪い娘なんだと言えば言うほど、どこか著者の意図する方向に導かれていってる
ような気がしてたまらないのです。
そこが延々と繰り返されていき、どうにも重い気分になってしまうのです。
加害者はそれからどうなったのかというと少年院を出た後大学に進み卒業後も別の大学に進み弁護士と
なるのです。
これだけ読めばえっ、そんな人を殺しておいて!と思いますよね。
でもその著者の知りえた事実しか書いてないんですよ。
更正の過程も何もわからないんです。
この少年Aが何を思い犯行に至ったか、何故弁護士となったのか、まったくわからないままなんです。
著者いわくそういう「なぜ」を追及しても虚しいだけで、大事なのは遺族がその後をどれだけ苦しみながら
生きてきたかをつまびらかにすることではないかと思ったからだそうです。
でも加害者にも家族がいますよね、この家族だってのうのうと暮らしてきたわけじゃないと思うんです。
でもそのへんもサラリとしか書かれていないし。
たぶんフィクションならば正と悪とはっきり別れ、感情移入もできるのですが、彼らは実在する人物なんですよ。
私は加害者をかばう気持ちはないです。
でも著者ならば中立の立場で書かなければいけなかったんじゃないかなと、読後も不快感が漂ってます。

殺された加賀美君の友達が神父さんに「天国はあるのか」と聞いたら「ない」と
はっきり言われこう言ったそうです。
「人間は死に際に何か悔いをのこしたりすると、そのときの気持ちが毒となって地獄になる。
もしも満足して死ねたら、その気持ちが天国だよ」
犯人の少年A、罪を犯したこと、謝罪をしてこなかったことを後悔しながら地獄への扉を開くのか。
自分の更正を振り返り天国へと導かれるのか。
彼にしかわからないことですね…

コメント

bonさん…同感です。
加害者の現在を知り実に腹立たしいまま終わってしまったけど何処か釈然としないものが残るよね。
のうのうと生き続ける加害者をクローズアップするだけの本ではいけないと思うし、その過程を知りたいと私も強く思いました。
ノンフィクションというのはどの本もつらいよね。

>ユミさま
なんとも…著者の取材力に疑問が残りますよね。
ここまで問題を提起しておきながら、それでいいのかい?ってね。
なんか著者の決めつけ方が不快でした。
マスコミでの取り上げられ方も商業的でなんかイヤですよね。
私自身もっといろいろなジャンルの本を読んで知識を身につけてこういう問題を考えなければいけないなぁって思いました。

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心にナイフをしのばせて/奥野修司

高校1年生になったばかりの被害者は同級生にナイフで殺害され、こともあろうに首を切り落とされたのである。あの「酒鬼薔薇事件」と同様の事件が28年前にも起こっていた…。猟奇的な事件ということでは同様の事件といえなくはないけど根本的に違うような気はします。少なく
  • [2006/11/30 12:26]
  • URL |
  • ひまさえあれば |
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心にナイフをしのばせて

 一九六九年春、川崎にある男子高校で、一年生が同級生に殺されるという事件が発生した。被害者は めった刺し にされた上、首を切断されていた。神戸で「酒鬼薔薇」事件が起こる、二十八年前のことだ。本書は、犯人の少年Aのその後と、被害者遺族を襲った悲劇を丹念に追っ
  • [2007/02/28 21:29]
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  • 映画や本を淡々と語る |
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奥野修司 といえば

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  • [2007/06/09 10:13]
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