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冬の犬 

冬の犬 冬の犬
アリステア・マクラウド (2004/01/30)
新潮社
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カナダ東端のケープ・ブレトン島を舞台にした8編の短編。
厳しい自然に暮らす人々、動物たちの息づかいが聞こえてきそうな1冊です。
いずれも少し前の時代のようで、何をするにも人間の手が必要といった時代。
島の冬は想像を絶するもので、厳しく淋しく容赦なくやってくるのです。
表題作の「冬の犬」は、まさに読んでいるだけで凍りつきそう。
一番印象的だったのは「島」
島に生まれ島で育った灯台守の娘。
ただ1度恋をするのですが、結果的にはツライ恋に終わり両親の後をついで灯台の仕事を孤独に
こなしていくのです。
これが読み終わると、ふぅっと切なくなってしまったのです。
孤独な女=可哀相な女と思ってしまいがちですが、彼女にとってはこの暮らしこそが支えになってるところが
あるのかもしれないですね。
カナダは移民の国で、このケープ・ブレトン島はスコットランドからの移民が多いようです。
あとがきを読めば、スコットランドを追われて移民してきた民族であり、彼らがゲール語を大事にしている
ことからも民族の誇りを感じさせます。
歴史というのは脈々と続いているのですね。
世界史に疎い私は、あいまいなことしか知らなかったです。
こういった事実も踏まえて読めれば、もっと興味深く読めたかもしれないです。

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きつねのはなし 


  • 著:森見 登美彦
  • 出版社:新潮社
  • 定価:1470円(税込み)
きつねのはなし
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書評データ



「きつねのはなし」
京都の一乗寺にある小さな骨董屋「芳蓮堂」にアルバイトする大学生の私。
女主人のナツメさんに頼まれ、長い坂のうえにある天城さんの古い屋敷に届け物をするのだが…

「果実の中の龍」
大学の先輩の下宿に入り浸り、先輩のいろいろな魅力的な話を聞くようになった私。
先輩の話は自分には体験のないものばかりだった…

「魔」
家庭教師をしている近所で夜な夜な通り魔が出没しているという。
そしてその正体は…

「水神」
祖父の通夜の夜、伯父や父たちと夜を明かすことになった私。
祖父の家にまつわる不思議な話を聞くことになる…


京都が舞台となっているのですが、入り組んだ路地など幻想的な世界に満ちています。
それにどの話も謎が謎のままであいまいなのですが、そこもまた私には好みでした。
連作短編のようで繋がってない、いや繋がってるのか。
作者にだまし討ちにあわされているようで、同じようになにかにとりつかれているようなざわざわしたかんじでした。
こういうの好きです。
しかし狐やケモノなども怖いのですが、本当に怖いのはそれに魅せられてる人間かもしれないですね。
一番よかったのは「果実の中の龍」かな。
こちらは見事に騙されてしまうのですが…
しかしどうして京都はこんなに魅力的なんでしょうか。
惑わす不思議な力がある土地なのかもしれないですね。

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ナイチンゲールの沈黙 

ナイチンゲールの沈黙 ナイチンゲールの沈黙
海堂 尊 (2006/10/06)
宝島社
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東城大学医学部付属病院小児科病棟に勤務する看護士浜田小夜。
担当患者の中に眼球に発生する癌網膜芽腫(レティノ)のアツシと瑞人。
瑞人の父親は無職で飲んだくれで病院にも来ず、息子の病状すら知ろうとしない。
小夜は病院に来るよう父親を説得するが相手にされない。
彼らのメンタルサポートを不定愁訴外来・田口公平が受け持つのだが、その矢先瑞人の父親が
殺されてしまう…


読み終えてすぐなのですが、かなり不快です。
憤慨中なのでかなり辛口です。面白かったかたごめんなさい!

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均ちゃんの失踪 

均ちゃんの失踪 均ちゃんの失踪
中島 京子 (2006/11/10)
講談社
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イラストレーターの均ちゃんの家に空き巣が入った。しかし均ちゃんは失踪中。
警察に呼ばれたのは、均ちゃんをめぐる三人の女。
元妻であり大家の梨和景子、製薬会重役秘書の木村空穂、そして雑誌編集者の片桐薫。
三人は均ちゃんに他にも女がいることを知らなかったのだが、奇妙な縁で顔見知りになってしまったのだ…


面白かった!均ちゃんの親戚と名のるゲイの祐輔も加わり、均ちゃんを通してそれぞれの立場、考えが
描かれていくのです。
それぞれの視点の章で構成され、「均ちゃんの失踪」は薫、「のれそれ」は景子、「彼と終わりにするならば」は
空穂、「お祭りまで」は均ちゃん、そして「出発ロビー」へと続くのです。
それぞれがいなくなってしまった均ちゃんを思いながらも、成長していくと言っていいのかな、
一歩前に踏み出していくんです。
そこへたどりつくまでの彼女たちが、あーわかるわかるって感じなのです。
普通ならば、わざわざ一人の男をめぐって修羅場?ってなるのですが、均ちゃんの人徳というか
三人が大人というか、ゆるい関係で繋がっていっていくところも好きです。
世代が違うから、打ち明けられるところがあるのかもしれないですね。
「のれそれ」と「彼と終わりにするならば」が年齢的に近いせいかよかったです。
「のれそれ」はいい大人のウブな恋。応援したくなるんですよ。
おじちゃん、おばちゃんがかわいい。
「彼と終わりにするならば」はフランスのディディエ夫人が粋でしたね。
こういう考えは一般的な日本人にはなく、新鮮だなと思いました。
前へ進もうとする空穂にも好感持てました。さっさとそんな男、手を切っちまいな!ガンバレ!
均ちゃんの失踪の理由も、なんか均ちゃんらしいですね。
優しくすっと心の隙間に入り込んでくる男なんだろうな。

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老師と少年 


  • 著:南 直哉
  • 出版社:新潮社
  • 定価:998円(税込み)
老師と少年
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書評データ



迷える少年と老師の問答、七夜の物語。
生きるとはなにか、死ぬこととはなにか、自分は誰か、本当の自分とは…
誰もが生きているうちに自分自身に問いかけること。
老師は決して正しい答えを教えてはくれない。
だけど少年は老師に導かれ、自分がこれからどうすべきなのかどうあるべきなのか見え始めるのです。
読んでいるうちは繰り返される問答が、どこへ向かっているのかわからなくなるのですが、最後にはなるほどと
思えてきます。
何度も読み返したら、そのたびに新たな考えが生まれてきそう。
生きることは難しいことです。
こうやって自問自答しながら生きていくのかもしれないですね。

今年の世相を表す漢字は「命」
「命」の重さが感じられる事件、「命」の喜びを感じられる誕生。
「命」が生まれればまたひとつの人生が始まり悩みながらも生きていく。
そんなことを考えながら本を閉じました。
著者の南氏は曹洞宗のお坊様です。
わかりやすく生きることの意味を説いてくれていると思います。

家守綺譚 

家守綺譚 家守綺譚
梨木 香歩 (2004/01)
新潮社
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亡くなった学生時代の友人高堂の父に頼まれ高堂家の家守をすることになった綿貫。
四季折々に変化する自然と触れ合い、そこで体験する不思議な物語。


なんてステキな世界なのでしょう。
庭のサルスベリに懸想され、死んだはずの友人が床の間の掛け軸より訪ねてくる、不思議な犬ゴローと
出会い、河童・人魚・小鬼とも出会う。
自然を愛で、散歩を楽しみ、季節のものを食す。
100年前の日本はこういう世界だったのかもしれないですね。
ここに登場する植物たちも、ささやかなものばかり。
普段は忘れがちな植物も、四季を奏で立派に生きているのです。
幻想的な世界に酔うのですが、「生」と「死」にも考えさせられもの悲しく奥深い世界だと感じました。
最後の「葡萄」あの葡萄を食べていれば…
綿貫をこちらの世界に引き戻してくれたのは、家を守らねばという気持ち。
いろいろな不思議な生き物や隣のおかみさん、寺の和尚との出会い、綿貫は恵まれているのかも
しれないですね。

読まれた皆さんが手元に置いておきたい本とおっしゃってるのもうなずける本でした。
私も手元に置いて愛でたい本です。

旅 2007年 02月号 


  • 出版社:新潮社
  • 定価:700円(税込み)
旅 2007年 02月号 [雑誌]
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書評データ



チュニジアってどこにあるか知ってます?
アフリカ大陸の地中海に面した国です。
アルジェリアとリビアに挟まれ、ローマの向かい側。
「旅」2月号はこのチュニジアの特集です。
イメージとしては砂漠や土色した町並みと思っていたのですが、地中海に面しているせいか
白い町並みなのです。しかもや窓は美しいブルー。魅惑的なブルーです。
白と青のコントラストがとても美しいんですよ。
イスラム文化のモザイクタイルや幾何学模様もとてもステキなのです。
まったく知らない異文化に触れるというのは、新たな発見があって楽しいですね。
イスラム圏ではトルコなどに興味があったのですが、こちらのチュニジアも気候や、イスラム圏にしては戒律が
ソフトならしいことからもちょっと興味が出てきました。
この雑誌はホテルやショップなどが主に書かれていて観光ガイドとしても参考になりますね。
欲をいえばモスクなど文化的なところも載っていたらよかったのに。
でも写真がいいですね。路地に密集した店や、路で遊ぶ猫たちなどなど。
コチラの写真だけでも充分楽しめました。
あとは映画「マリー・アントワネット」の紹介。4ページにわたって特集されてます。
じつはマリー・アントワネットに関しては、政治に無関心な浪費家の王妃というイメージが強かったのですが、
この映画ではマリーの視点から描かれていて、14歳で嫁入り=身売りされこの奇妙な結婚に立ち向かった
姿が描かれているそうです。
おまけに初夜も出産も毎日の食事も公開されるといった生活だったんだって…大奥みたい。
そりゃどこかでタガがはずれてしまうかもしれないですね…
マリーにも興味でてきました。
国内旅行では、長崎の平戸の特集。
毎年長崎には帰省するけど平戸には行ったことないです。メモメモ。
しかし写真はきれいだし、旅心をくすぐられる記事、途中にはブランドものの広告。
ターゲットはどの世代なのかこの雑誌?

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サウンドトラック 

サウンドトラック〈上〉 サウンドトラック〈上〉
古川 日出男 (2006/09)
集英社
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父親と6歳のトウタが乗る船が遭難しトウタだけが生き残り、無人島に流される。
母親が心中を図り海へ落とされた4歳のヒツジコ、奇跡的にボートに乗りトウタがいる島に流れ着く。
父親からサバイバル術をたたき込まれていたトウタと、幼いヒツジコはその無人島で暮らす。
そして、野生山羊の繁殖調査に来ていた者たちによって二人は保護され、小笠原の父島で養父母のもとで
暮らすことになる…
しかしヒツジコは小学校卒業とともに、東京に新しい養父母のもとに行くことになり二人は離れ離れと
なってしまう…

彼らの想像を絶する生い立ちに、まずはひきこまれていく。
親を知らずに生きてきた子供たち、保護されることを知らない子供たち。
たとえ新しい環境で育てられようとも、二人は欠けることのない二人だった。
しかしヒツジコは気付く、自分が殺されかけたことを。母親が、世界が。
そして二人はそれぞれの孤独の世界に入ってしまう…
ヒツジコは踊る行為に目覚める。世界を覆す踊りを。
途中まではこうやってその世界に魅了されていったのですが、トウタも東京に出てきてからは、どうも…
ヒツジコの人を再起不能にさせてしまうほどの、踊りも想像ができないものだし。
養母からも拒絶を受けてより自分の世界に入っていくのもわからんではないが、途中からはその養父母達が
登場しなくなってしまい、それでも高校に通ってるところを見ると結局その養父母の保護下に
いることはいるんだよね。それってどうなん?
トウタはトウタで、あまり魅力がない。
彼の「サウンドトラックレス」の世界がイマイチ伝わらなかった。
途中から登場してくる性別を超えたレニも、よくわからない。
物語がどこへ向かいどこへたどり着くのか…
じつはそんなことは関係ないのかもしれない。
ヒートアイランドで熱帯化していく東京。破壊されていく東京。
熱い、熱い。
文章がたたみかけてくる、熱気を帯びて。
「サウンドトラックレス」の世界にリズムを持つ文章が追いかけてくる。
そしてそれに魅了されていく。

フフフ、感想読み返しても意味わからないですね。
このわからない世界がいいのかもしれない。

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わたしを離さないで 

わたしを離さないで わたしを離さないで
カズオ イシグロ (2006/04/22)
早川書房
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優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。
キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。
キャシーは親友のルースとトミー達と過ごしたヘールシャムの日々を思い出す…


なんだろう、この読後感は…
読んでいくうちにヘールシャムの施設が、単なる施設じゃないことに気付く。
なぜなら彼らに親の存在を感じないのだ。
提供?介護人?
謎を含ませ淡々と物語が語られていく。
そして事実がわかっていくのだが、決してドラマチックに語られることもなく、至って平静に語られていく。
彼らは自分達の運命を抗うことなく受け入れているように思えるのだ。
何故生まれてきて、何故使命を遂げていくのか…
何気ない青春の日々を振り返っているように見えるのですが、底にあるのは言いようのない思い。
同じように考え、恋をし、友情を育むことだってできるのに。
抑制のとれた文章は読後に、じわじわと波を押し寄せてくる…

NO.6 #1 

NO.6(ナンバーシックス)#1 NO.6(ナンバーシックス)#1
あさの あつこ (2003/10)
講談社
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2013年の理想都市「NO.6」。
エリート居住区にすむ紫苑は12歳の誕生日の雨のふる夜、窓から忍び込んできた肩を撃たれた
ネズミと名のる少年を助ける。
しかしその夜のことは紫苑の人生を変えてしまう…


近未来の管理された都市での話です。
12歳で特別な教育を受けていたはずの紫苑は、4年後はその特権も奪われ公園の清掃の仕事をしています。
しかしその公園で奇妙な変死体が発見されるのです。
まだ1巻ということもあって、プロローグ的なところがあり謎だらけで惹き付けられます。
ネズミと供にこれからどうなるのか!
紫苑の体はどうなるのか!
近未来っていろんな描き方がありますよね。
こんな管理された世界=監視された世界というのは自由を奪われたようなもんですね。
しかしそれも虚構の世界…紫苑とネズミが打ち破ってくれるのでしょうか?
続きが気になります!

少女小説から世界が見える 

少女小説から世界が見える 少女小説から世界が見える
川端 有子 (2006/04/21)
河出書房新社
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『若草物語』、『家なき娘』、『小公女』、『赤毛のアン』、 『あしながおじさん』昔読んだ物語。
その背景に隠されていた秘密とは…

懐かしい物語たち。ただ彼女達の生い立ちや運命に一喜一憂していたのですが、じつはそこには
いろいろなメッセージが込められていたんですね。
時代背景、理想の家族、理想の女性像…盛り込まれていたのです。
TVアニメにもなったのですが、原作とは違っているものもあるのです。
そういえば確かに「小公女セーラ」ではセーラは優しくか弱いイメージだったのですが、言われてみれば
原作では誇り高い少女でした。
ペリーヌも覚えているのは旅をしていたこと、だけど原作ではいろんな想いが込められていたのですね。
弱者の立場を訴えている力強い作品ばかりだったのです。
こういう深い読み方が出来るのは、やはり大人になった今なのでは?
出来ればもう1度これらの作品を読み返してみたいです。

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向日葵の咲かない夏 

向日葵の咲かない夏 向日葵の咲かない夏
道尾 秀介 (2005/11)
新潮社
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1学期の終業式の日小4のミチオは、休んだS君に岩村先生に頼まれたプリントや作文を届けに行く。
が、S君は死んでいた…
慌てて先生に伝え、先生と警察が駆けつけるのだがそこには死体はなかった…


これは面白い!っていいのかどうか…でも面白い。
残酷というかいろいろな人の心の闇を描いているのです。
S君は学校でもいじめられっこだったし、岩村先生も人には絶対言えない秘密を抱えている。
ミチオはミチオで家庭のバランスが崩れているのです。
なぜか母親はミチオにつらくあたり、妹のミカばかりかわいがっているのです。
この妹のミカも3歳なのに1人で留守番はするわ、言うことはしっかりしているわでとても3歳児とは
思えないのです。
ミチオがS君の死の真相を調べていく過程でも、連続して起こっていた犬猫の惨殺死体事件など
むごたらしいのです。
読みながら一体何が真実?どうなるの?えっこれは嘘?何?何?なのです。
読み終えると、えーっそうなの!!!と伏線がはられていたことに驚かされます。

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金春屋ゴメス 

金春屋ゴメス 金春屋ゴメス
西條 奈加 (2005/11)
新潮社
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近未来の日本の中にある独立国家江戸。
鎖国政策をとっているため300倍もの難関を潜り抜け江戸に入国できるようになった大学生辰次郎。
江戸での請負人となったのは一膳飯屋の「金春屋」だが、辰次郎は「裏金春」で働くことになる。
そこで調べるようになったのは、自らも15年前にかかった「鬼赤痢」。
何故自分だけが助かったのか、また江戸に流行り始めた「鬼赤痢」を食い止めることができるのか…


えーとですね、これは評価が分かれると思います。
時代小説好きからしますと、イマイチなのですよ。
江戸の「粋」が抜けているのです。
かといって面白くないわけでもないのです。
エンターテイメントから言うと面白いとは思うのです。
もっと江戸と日本の境界をあいまいにしてもよかったんじゃないかなと思います。
そりゃ表紙のように携帯で連絡っちゅうのはやりすぎかもしれないですが(笑)

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ある秘密 

ある秘密 ある秘密
フィリップ グランベール (2005/11)
新潮社
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一人っ子で病弱な少年が、兄の幻想を抱く。
ある日母親と一緒に上がった屋根裏で、本当に兄がいた形跡を感じる。
15歳になった少年に、戦時下を両親と暮らしたルイーズが秘密を彼に伝える…


理想の兄の幻想に、不安にさいなまれる少年…それだけはないのです。
途中から胸が締め付けられる思い。
迫害から逃れパリに逃げてきたというのに、パリは独軍の占領下に置かれてしまうのです。
そんな時代の下での両親の秘密。
倫理的にもたいへん切なく、それ以上に不幸が耐えられない悲しみを連れてくるのです。
あのときの選択…嫉妬、復讐、自暴自棄…いろんなことが考えられるのです。
それを止めることも出来ず、ただ見ているだけしかできなかった人たち。
様々な悲しみ、思いがとてもツライのです。

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大奥 

大奥 2 (2) 大奥 2 (2)
よしなが ふみ (2006/11/29)
白泉社
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1巻でいいとこで終わっていたので気になってました。
普段新刊でマンガを買いもしないのに、思わず手が伸びてしまったんです。
時は家光の時代、何故大奥が男ばかりになったのか、謎が紐解かれます。
大奥好きにはたまらないです。
やはりお万は、仏のような人ですね、くーっ泣ける!
春日もこれまた非情なおなごでしたわ。
またいいところで終わってたんで、はよぅ3巻を!と思ったらまだ続きは発表されてなく
メロディ2月号でということだそうです。
ちゃっかり宣伝してる…
白泉社、お前もワルよのぅ。

夏の庭  The Friends 

夏の庭―The Friends 夏の庭―The Friends
湯本 香樹実 (1994/03)
新潮社
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小学6年の夏、木山、山下、河辺の3人は、山下の祖母の死の話から「人の死」に興味を持ち、
もうすぐ死ぬのではと噂される一人暮らしのおじいさんを見張ることにする。
3人の行動に気づいたおじいさんは、やがて少年たちの来訪を楽しみに待つようになる。


新潮夏の100冊に入ってるので、いつも気になっていたのですが、すごくよかったです。
おじいさんを観察してどうなんだ?と思ってましたが、おじいさんと少年達の交流がすごくいいのです。
3人とも母子家庭、魚屋の手伝い、母の飲酒などなど家の事情があり、親が教えてくれないようなことを
おじいさんに学んでいくのです。
特に印象的だったのは、おじいさんの戦争体験です。
大人の私でも衝撃的な話ですが、彼らは幼いながらも理解しようとしていくんです。
ここは「死」を考え始めた子供たちにも、「死」とは重いものなんだと伝わっていったのではないかと思います。
おじいさん自身も、ただコタツに入ってぼーっとしていた日々から洗濯や家の補修、庭の手入れと
子供たちと触れ合うことによって生き生きとしてくるのです。
最後はホント泣けます。
でも悲しいという気持ちよりも、教えてもらったものの大きさに読んでよかったという気持ちになりました。
夏のフェアがあるたび気になっていた人、児童文学だしと思ってる人、ぜひぜひ読んで欲しいです。

退屈姫君伝 

退屈姫君伝 退屈姫君伝
米村 圭伍 (2000/04)
新潮社
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二万五千石の小藩風見藩に五十万石の盤内藩の姫君めだか姫が嫁入り。
ところが、田沼意次はこの二藩の間に密約があるのでは?と幕府隠密を放つ。
さてめだか姫、参勤交代で帰藩中の夫の留守を守れるか!
義弟の冷飯の直光、偶然知り合ったくノ一お仙、はたまた隠密倉地を巻き込み、田沼の陰謀と戦う。


面白いですよね、このシリーズ。
前作の「風流冷飯伝」同様落語調と言いますか、独特の語りかけに少々戸惑うのですが、
いつしかその世界に引き込まれてしまうのです。
この前作がチラリと出てきて、 内容を忘れてる私は「もう1度読んだほうがいいかな~」なんて気にさせられて
しまいました。
とにかくいたずら好きのめだか姫がかわいいのです。
世間知らずなところからくるんでしょうが前向きで明るくて、困難も「すてきすてき」と楽しみに変えてしまうのです。
お仙たちも面白いんですよ。
幕府隠密の頼りないこと頼りないこと!
その上めだか姫の父盤内藩主の西条綱道もなんともお茶目。
風見藩の貧乏ぶりにも、笑わされます。
それでも不満をもらさない藩士たち、この藩幸せ者ですね。
こんな江戸の世だったら、楽しかっただろうなぁ…

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