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三年坂 火の夢 

三年坂 火の夢 三年坂 火の夢
早瀬 乱 (2006/08/10)
講談社
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明治の東京、近代化は進むも火事がひとたびおこればたちまちあたりを焼き尽くしてしまう、
まだまだ江戸時代の続きといえる時代だった。
経済事情からも上の学校に行くことを断念していた内村実之は兄が帝大から帰ってきたと知らされ、
下宿先から実家に戻るが兄は怪我をしていた。
そしてその傷が悪化し兄は死んでしまう…「三年坂で転んでね」という言葉を残して。
実之は兄の死の真相、一高受験のために東京に行く。

内村の「三年坂」にまつわる謎と、今で言う予備校教師の高嶋鍍金が追う不穏な火災の謎と
交互に展開していきます。
どこへ向かうのかこの謎?といったかんじでしょうか、前が見えないんですよ。
東京の地理がまったくわからないので、わかっていたらもっと面白かったんだろうな…
途中で間延びしてしまった、私…
でも面白かったんです。
明治維新によって武士たちはどうなったかっていうと、放り出されてしまったんですよ。
今までは藩に召抱えられていたのに、藩というものがなくなり無職になってしまうんです。
内村兄弟の父も武士だったのですが、同じように職を失い妻子を見捨ててしまうのです。
田舎にひっこんでしまった母子たちは貧乏で農作業でくらしていくんです。
こういうドラマを読むだけでも、明治の世の混乱が感じられます。
イギリス帰りの高嶋鍍金のひょうひょうとした探偵ぶりもよかったです。
彼にはまた事件を解決してもらいたい。
都市計画に携わる者たちの希望も、わかるような気がします。
自分達で理想の都市が造れたら…しかし犠牲は大きい。
それは独裁者ですよね…

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陽気なギャングが地球を回す 

陽気なギャングが地球を回す 陽気なギャングが地球を回す
伊坂 幸太郎 (2006/02)
祥伝社
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確実に他人の嘘を見抜く成瀬、嘘ばかり並べ立てる演説の達人響野、天才スリの久遠、
正確な体内時計の持ち主雪子。
この四人は銀行強盗。
いつものごとく首尾よく銀行強盗を成功するのだが、逃走中のアクシデントにより現金輸送車ジャックに
金を奪われてしまう…

面白かったです!
伊坂作品は、苦手なのと面白かったのとあるのですが、今作品は文句なく面白かった。
このテンポ、4人にぐいぐいひき込まれていってしまう。
会話がポンポンとキャッチボールなんですよね。
他の作品のようにパズルとまではいかないのだけど、伏線の張られ方もお見事。
なんとなく先が見えるんだけど、ここでそれを使っちゃうのね!と驚きながら笑ってしまうんですよ。
4人の出会いの話や、成瀬と響野の腐れ縁めいた話とか、雪子の息子の話とかもあって
ギャングだけじゃなくそっちも楽しめます。
ひとつ気になったのは、響野の演説を聞いた被害者たちって、どう思ったんだろ(笑)

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この絵本知ってます? 

昨日いろいろ絵本のことを見ていたときに、ふっと思い出して探してみたのがこのシリーズ↓

カロリーヌ カナダへいく カロリーヌ カナダへいく
ピエール プロブスト (1999/06)
BL出版
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子供のころに読んだ絵本で、金髪の女の子と犬と猫の話が好きだったとウロ覚えだったのですが数年前に
フェリシモで復刊させようっていう企画を見て、あっ!と思い出したのです。
そのまま月日は流れ…また忘れてました。
で、昨日探してみたんですよ、コレですコレ。
金髪の少女カロリーヌちゃんが8匹の動物をお供に世界を旅するんです。
子供心に世界の国々にでかけるカロリーヌちゃんにときめいてました。
中でも強烈な印象を残しているのがこのカナダ。
なぜって?
メープルシロップだと思うのですが、木から蜜をとり雪の上で凍らせて食べちゃうんです。
それがなんだかうらやましくって!!!やってみたーい!!!
動物たちも8匹いるせいか、誰かがなにかをやらかしてくれるんですよ。
皆表情豊かで、かわいい。
私が読んでたのは、たぶん小学館の世界の童話シリーズという全集だったと思います。懐かし~。
でもこのシリーズ大人買いしたいかも~。

本好きの皆様!知ってる方いらっしゃいますか?
いらしたらぜひお声かけてくださいませ~。
この「なつかし気持ち」分かち合いましょ~。

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こどものとも 

幼稚園児の親なら知ってる「こどものとも」
今年50周年だそうです↓

こどものとも50周年記念ブログ

去年まではムスコが持って帰っていたのですが、残念なことに年長では違う絵本です。
おねえやんは4年間(保育園だったもんで)持って帰ってたな。
毎月持って帰ってくるのが親の密かな楽しみでもあるんですよね。
でもね、なんでこんな本が!っていうのが、子供のお気に入りだったりするんですよね。
ちなみにムスコは「ひょうたんハウス
妙な関西弁がバカうけしてました。
おねえやんは「かくれんぼ
親から見たら微妙な絵が好きだったんですよね…
でも味のある絵本でどちらも私は好きです。
もちろん「ぐりとぐら」「そらまめくんシリーズ」「ばばばあちゃんシリーズ」とか、こどもも私も好きですよー。

         

ぐりとぐら ぐりとぐら
おおむら ゆりこ、なかがわ りえこ 他 (1967/01)
福音館書店
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来月「ひろしま美術館」にて「こどものともの絵本展」があるのです。
こどもと一緒に楽しんでこようと思ってます!

銃とチョコレート 

銃とチョコレート 銃とチョコレート
乙一 (2006/05/31)
講談社
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父を亡くし母と二人で暮らすリンツの住む国では、怪盗ゴディバによって金持ちの家から
金貨や宝石を盗まれるという事件が多発していた。
ゴディバを捕まえようとする探偵ロイズは子供たちの間でも人気だった。
ある日リンツは父が亡くなる前に一緒に露天商から買った聖書の中に、地図を見つける。
その地図は怪盗ゴディバに関係しているようだった…

ミステリーランドということなので児童書です。
でも充分大人も楽しめると思います。
怪盗VS名探偵という図式でも楽しめるのですが、そうじゃないところが乙一作品。
リンツ、そんなヤツ信用しちゃダメだよってやはり子供よねって思ってたのに、
げげっそうなっていくんかいってくらい展開が転がっていくし。
ドゥバイヨルなんて、こんな子供登場させていいの~って思うほど乱暴者だし。
意外と頭キレるし、優しいとこもあったり、いったい彼はナニ者?
いやぁブラックテイストですなぁ。
それでいて、戦争や、移民、宗教の問題も盛り込まれていたり、差別について
考えさせられたりします。
正しいって思ってることって、本当にそうなの?
ひとつの方向から見ると見えない部分があるんだよね。

登場人物はチョコレートにちなんだ名前だったんですね。
じつは私、チョコ嫌いなんです…
さすがにゴディバやロイズは知ってましたけど。
それと挿絵が独特の世界でした。
セピア色でヨーロッパの匂いをかもしだしてるんだけど、人物が…コワイ。
でも地図の絵はよかったです。
こういう鳥瞰図が好きなんですよ。
こまごまとした町並み、小さいもの好きにはたまりませんな。

さてこの本児童書なのですが、コレを小5のムスメが読むかなぁとちょっと疑問。
どうも外国が舞台ってのは、苦手らしいです。
漫画テイストなもんばっかり読んでいて、私も何を薦めたらいいのやらいつも考えてしまいます。
でも乙一ブラックを子供がどう捉えるか、ちょっと興味があるなぁ。

猫島ハウスの騒動 

猫島ハウスの騒動 猫島ハウスの騒動
若竹 七海 (2006/07/21)
光文社
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葉崎半島の先、猫島には三十人ほどの人間と百匹を超える猫が暮らしている。
こんなのどかな島も猫たちのおかげで、観光地として少しばかり賑わいをみせている。
高校生の杉浦響子は祖母の民宿猫島ハウスを夏休みの間手伝っていた。
ある日、響子の同級生の菅野虎鉄は、ナイフを突き立った猫の死体らしきものを見つける…

葉崎シリーズです。
今度は猫島という干潮になれば歩いて渡れる小さな島が舞台。
最初はのどかな島らしく(?)猫の死体らしきもの発見から、海難事故、本物の死体発見と
事件が大きくなっていくのです。
そのうえ過去に起こった3億強盗事件も絡んできて、謎が謎をよんでいくのです。
寄り道のように見える伏線も最後にお見事!という具合につながっていくから面白い!
登場してくる人物も、いつものとおりクセのある人物ばかりで魅力的ですが、猫も魅力的。
章ごとに描かれてる猫のイラストがこれまたかわいいのですよ。
章ごとのタイトルも猫にちなんだものだし、猫好きの人にはより一層楽しめるのでは。
私は猫ギライではないのですが、少々カラダが痒かったです(笑)

今回はイラストレーターの原アカネが、よかったかな。
若竹さんの描く女性は口は悪いがさっぱりしてるステキな女性なんですよね。
それに反して、男は…
七瀬巡査かわいそうでした。でも憎めないですよね。
ちょこちょことシリーズででてきた人物や出来事が登場してくれるのも若竹さんの魅力のひとつ。
双子ちゃんが成長してるのが嬉しかったです。
でも「古書店アゼリアの死体」をまだ読んでないのが残念だわ…

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柔道! 

柔道ワールドカップやってましたね。
私、柔道好きなんです。
今日は残念!
知らない若い選手も多く出ていたので、世代交代なのかな。
それにしてもやっぱりなんにつけても韓国って日本のライバルですね。


柔道のマンガといえばコレ↓

Yawara! (1) Yawara! (1)
浦沢 直樹 (1987/04)
小学館
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浦沢さんは昔から好きです。
今や売れっ子作家さんになってしまいましたね…

でもやっぱり柔道じゃコレが一番好き!
帯をギュッとね!―New wave judo comic (1) 帯をギュッとね!―New wave judo comic (1)
河合 克敏 (1989/09)
小学館
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といっても手元にないので、いつか揃えたいです。

おまけはコレ↓
柔道部物語 (1) 柔道部物語 (1)
小林 まこと (1999/02)
講談社
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マイケルばりに面白いです。三五十五…
これもね、揃えたい~。

べつにスポーツマンガが好きってわけじゃないんですよ。
どっちかっていうと試合のシーンとか、まどろこしくて読み飛ばしてしまうんですが、
柔道は好きです。
あぁ大人買いして揃えちゃおうかなぁ。かなり揺らぐわ。

袋小路の男 

袋小路の男 袋小路の男
絲山 秋子 (2004/10/28)
講談社
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「袋小路の男」「小田切孝の言い分」「アーリオ オーリオ」の3篇。

「袋小路の男」
高校生のときからわたしは先輩に片思いをしている。
どんなに相手にされてなくても、約束を忘れられようとも…
離れても離れられない…

「小田切孝の言い分」
「袋小路の男」が大谷日向子からの視点だけだったのですが、こちらは片思いの相手
小田切の言い分も語られてます。
18年間の片思い…もちろんその間には、小田切から離れ恋もしたりしてるんだけど、
結局好きなのは小田切だと思い知らされてしまう。
読んでいて不覚にも泣きそうになってしまいました。
こんな人をなぜ好きになってしまうんだろうと絶えず日向子は思っていたんじゃないかな。
だけど人を好きになる気持ちって止められないし、自分でも判らないものだと思う。
この一途な想いが、ある意味羨ましかったりする。
片思いしている時が、一番いい時だったりするんだよね。
このつかず離れずの距離が理想的なのかもしれない。
はたから見れば「なにやってんのアンタたち…」って思うんだろうけど。
なにも一緒にいることがその人にとって幸せってわけじゃないんだよ。
好きだって思っていられることが幸せなんだよ。
小田切もじつはこの距離に幸せを見出しているのかもしれない。
もし二人が寄り添ってしまったら…
二人ともこの思いが消えてしまうことが怖いのかもしれない。

「アーリオ オーリオ」
こちらもよかったです。
科学好きの哲と姪っ子の美由の手紙のやりとり。
中学生らしく親に反発したり、友達がいないのかなと思わせる手紙。
それに答えることないけど、確実に美由になにかを伝えている哲。
手紙というスローな時間の流れ。
微笑ましい関係に割りいってくる現実問題…
だけど変わらないんだろうなぁ、星の輝きのように。

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容疑者Xの献身 

容疑者Xの献身 容疑者Xの献身
東野 圭吾 (2005/08/25)
文藝春秋
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元ホステスで今は弁当店で働く花岡靖子は、中学生の娘と二人で暮らしていた。
ある日別れた元夫にしつこく復縁を迫られ、殺してしまう。
そこへ靖子に思いをよせる隣人の数学教師石神があらわれ、協力を申し出る…

東野さん直木賞受賞作、2005このミス第1位。
やっと読むことができました。
ガリレオシリーズの湯川と草薙刑事です。
物理学者湯川と数学教師石神は帝都大学での同級生であり、ライバルであり友人だったのです。
今回は湯川が友情のために、動きます。
石神の誤算はこの湯川だったんですよね…
でも、この友情には泣かされます。
特に二人とも一風変わった者同士で、なにか通じるものがあるんでしょうね。
石神は数学だけが生きがいというところからも女性にもてることもなく冴えないかんじなのですが、
できない高校生相手に数学の必要性を教えてるところなんか、じつはいい先生なのかもしれないなぁ
と思いました。
数学とか物理とかって苦手な人も多いと思うのですが(私も!)哲学的で意外と面白いんですよね。
でも苦手。

ちょっとネタバレです↓

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イトウの恋 

イトウの恋 イトウの恋
中島 京子 (2005/03)
講談社
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面白かった!
中学教師の久保が、実家で祖父の遺品の中から「イトウ」の手記を見つけ、顧問の郷土部の
テーマにしようとするとことからはじまる。
この「イトウ」という人物は、I.Bという英国の女性探検家の日本旅行記「秘境」に登場する
通訳青年伊藤亀吉であり、手記はI.Bとの北海道へ向けた旅行のことが綴られていたのである。
しかし!この手記は中途半端な終わりかたをしており、続きが知りたい久保は細い手がかりをたどり
伊藤の子孫である田中シゲルに手紙を出すのです。
一方の田中シゲルは覚えのない先祖が自分を捨てた産みの母の祖父であることに戸惑うのだが
なぜだか久保に協力していくのです…
このイトウの手記が、なかなか面白いんですよ。
明治の文明開花に混乱している時代で、外国人も珍しく行く先々でちょっとした騒動があったりして
I.Bとイトウの距離が密接になっていくんです。
この時代の隙間というか、ホントこの時代でしかこういう関係ってありえないことかもしれないですね。
イトウのI.Bへの思いがいいんですよ。
I.Bを笑顔にしようと思って、頑張ってるんですよ。
口にするのはちと恥ずかしいですが「ロマン」なのです。
これが途中で終わってるんだもの、そりゃ続きを探したくなる!
それを探す久保とシゲル、そして郷土部の唯一の実働部員赤坂の3人がこれまたいいんです。
3人ともなんかピントがずれてるんですよね。

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黄昏の岸 暁の天 上下 

黄昏の岸 暁の天(そら)〈上〉―十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート 黄昏の岸 暁の天(そら)〈上〉―十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート
小野 不由美 (2001/05)
講談社
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戴国の王驍宗は登極から半年、反乱鎮圧のために戦地に赴くが、突如行方不明となる。
そして戴国の麒麟泰麒は何者かに襲われ自ら蝕を起こし、姿を消してしまう…
王と麒麟を失った戴国では、王に成り代わる者が現れるが荒廃していく。
6年の月日がたち将軍であった李斉は、慶国に助けを求める…

まず慶国の王陽子の成長ぶりに目をみはってしまいました。
こちらの世界にやってきたときは、一人で怯えながら戦ってた陽子。
王となった後も己の無力さに苦悩した陽子。
こんなに立派になって…
なによりも自分の意見が言えるようになってることに、思わず拍手。
自国の復興もまだまだなのに、他国を救わなければいけないという姿勢にも、王としての風格が
備わってきなぁと感慨深いです。
祥瓊、鈴も彼女に仕えていることにも、なんだか嬉しくなってしまいました。
あのままじゃなかったんですね。
延王、延麒をはじめ、他国の王、麒麟も登場し十二国記の奥深さを感じました。
そしてこの話は「魔性の子」につながってるんですよね。
読みながらおぉそうだったのか、と謎がとけていきました。
どっちを先に読むかで、印象がかわってくるかもしれないです。

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11ぴきのねこふくろのなか 

11ぴきのねこふくろのなか 11ぴきのねこふくろのなか
馬場 のぼる (1985/01)
こぐま社
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ムスコの幼稚園では週に1回絵本を貸し出してくれます。
だけどムスコほぼ決まってこのシリーズ…
今日はコレでした。
ちなみに先週は「11ぴきのねことへんなねこ」でした。
ほかにもカブトムシの本だとか、もっと違った絵本があるんだと思うんですよ。
このシリーズが気に入ってるのか、はたまたのろまなので残った本なのか…
私もこのシリーズ好きなのですが、読んでやるときに11ぴき声色を微妙に変えなければいけないのが
たいへんです。
別にそんなことせんでもいいのにね。

ちなみにムスメは、おばあさんだの魔女だのそんな暗い絵本をよく借りて帰ってました…
我が子ながら二人とも…ヘン。

それからはスープのことばかり考えて暮らした 

それからはスープのことばかり考えて暮らした それからはスープのことばかり考えて暮らした
吉田 篤弘 (2006/08)
暮しの手帖社
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引っ越してきたばかりの大里(オーリィ)は、3と印刷された袋を抱える人が多いことを不思議に思う。
大家の大屋さん(マダム)から、それはなかなかおいしいサンドイッチ屋の袋だと教えてもらう。
そのサンドイッチは、なかなかどころか人生が変わってしまうほどの味だった…

すごく居心地のいい話でした。
続きが気になるのに読み終えるのがもったいないくらい。
私はひねくれたところがあって、いい人ばかり出てくる話ってあまり好きじゃないのですが、
ここに出てくる人たちはいい人ばかりなのになぜか愛しいんです。
みんななにかぼうっとしたものを抱えているんです。
見えない心の穴と言ったらいいんでしょうか…
主人公オーリィは古い日本映画が好きで、そんな日本映画を上映している映画館に行くと
同じようにいつも来ている緑色の帽子のおばあちゃんが気になります。
この女性がこれまたkeyなんです。
この二人の関係が、なんともいえなくて羨ましくもあり、憧れてしまうほどすごくいいんです。
緑色の帽子のおばあちゃんも大家のマダムもサンドイッチ屋の安藤さんもその息子のリツ君も
それぞれが重要で愛すべき存在なんです。
決してでしゃばらず、脇役なんだけどそれでいてそれぞれが味を出してるのです。
これぞスープの極意。
最後に出てくる「名なしのスープの作り方」がこれまたいいんです。
思わずにんまり。
そしてスープを作ってみたくなる、もしくは飲んでみたくなります。
なんか大事なことが隠されてるというか、気付かされます。
こんな風に生きれたらいいのに。

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現実入門 

現実入門 現実入門
穂村 弘 (2005/03/23)
光文社
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人生の経験値の低い穂村氏が、未経験のことを美人編集者サクマさんと一緒に体験していくエッセイ。

えー、はっきりいいまして、私もほとんど経験しておりません。
ということは私も経験値低い…
たとえ取材とはいえ経験できた穂村さんって幸せもんだ。
最後に幸せになったみたいだし。
穂村さんの妄想は面白く、今回も笑いました。
だけどちょっと、吹き出すまではいかなかったかな。
経験値の低い私は、穂村氏に嫉妬したのかも(笑)

ぎょ! 

今日のカウンター見てびっくり。
いつも閑古鳥ブログなのに、なぜ?
と検索ワード見たらコレ↓ですね。

死亡推定時刻 死亡推定時刻
朔 立木 (2004/07/21)
光文社
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マツケンと吉岡君とでドラマしてましたね。
私も見てました。
なかなかキャストはいいとこついてませんか。
ただ私は前半の緊迫感あふれる誘拐劇や理不尽な取調べのとこが少なくて物足りない気もしました。
小林の母さんにも登場して欲しかった。
だって小林の無念さが半減してしまうじゃないですか。
兄弟の確執に焦点をあてたかったのでしょうか?
でもやはり純粋な少女が殺されてしまうのには、モヤモヤ感が残りますね。
大人の犠牲になってしまったのは、本当にかわいそうですね。
親として守りたい気持ちが痛いです。

それにしてもリンメイ先生、イメージにあってますね。
また、テレビでもお会いしたいです、リンメイ先生。

カタブツ 

カタブツ カタブツ
沢村 凛 (2004/07)
講談社
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地味でまじめな人たちにスポットライトをあてた6編の短編集。
あとがきが面白いです。
「まじめにこつこつと努力しさえすれば幸せになれるほど、人生は甘くないのです」
はい、そうです。なんだか身にしみてくるなぁ…
どれもがオチがある意味ユニークでした。

「バクの見た夢」
W不倫の二人が罪悪感から出した結論は…
あぁいい話だなぁと思う反面、人の不幸の上に幸せが成り立っていいの?とも思えました。
でも、かけがえのないものを手に入れたんですよね。

「袋のカンガルー」
どうしてもほっておけない亜子と恋人英恵との間で…
手紙の代筆屋とういう職業が意外にツボ。
お互いが依存しあう関係って、どうしても離れられないんだろうなぁ…

「駅で待つ人」
待ち合わせをする人を観察するのが好きな男が見つけた理想の待っている人が待っていたのは…
彼の待ち合わせの定義に思わずふむふむと納得させられました。
人を信じることって難しいのね。

「とっさの場合」
息子が死ぬ夢を見た私は、息子が本当に死んでしまうのではないか、自分は息子を助けることができないのではないかと強迫観念に捉われる…
この主人公の気持ちはよくわかります。
留奈の存在はすぐに気がついたのですが、理解してくれない人にはホント認めたくない存在
なんでしょうね。
なんだか心の支えというものを、考えてしまいます。
ラストなんですが、私にはできないかもしれないなぁと思ってしまいました。

「マリッジブルー・マリングレー」
3年前に交通事故にあった昌樹は事故前の62時間の記憶がない。
婚約者の実家の近くの海に行ったとき、見覚えのある風景に不安を感じていく…
記憶がまったくないってことは、すごく恐怖なんですね。
自分がどこでなにをしてたかわからない…
たった2日なのに。
最後までミステリーですね。知りたいー!

「無言電話の向こう側」
いつも自信にあふれている友人の樽見だが、冷たい人間だと言う噂を聞く。
そんなことはないと思う須磨だったが…
1つの出来事で人の印象が変わってしまうものなんですね。
樽見の言うことは、的を得ていて好感が持てます。
ラストはよかったです。これからが見える終わり方でよかった。

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銀行籠城 

銀行籠城 銀行籠城
新堂 冬樹 (2004/03/11)
幻冬舎
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閉店間際のあさがお銀行中野支店に、男が押し入った。
五十嵐と名乗る男は、逃げようとするサラリーマンを用意してきた拳銃で迷わず撃ち殺し、
銀行内に残る行員、客をすべて集め、なんの要求もすることなく籠城する。
銀行内は、恐怖に支配されていった…
一方、捜査にあたる警察は、目の前で人質が殺されていくが、踏み込むこともできず手をこまねいていた…
指揮にあたっていた鷲尾は、10年前の籠城事件を思い出していた…

次々に理不尽に殺されていく人質、犯人のムリな命令に戸惑いながらも自分の命のためにそれに従う人質。
まったくもって恐怖に支配された世界だ。
まず五十嵐が若いことに、疑問がおこる。
30.40代の男ならギャンブルなどの借金苦から金目的の犯行、50代なら町工場などの社長が
貸し渋りなどの銀行への逆恨みの犯行と推測できるのだが、五十嵐はまだ28なのだ。
なにが目的なんだ?そこまで凶行に駆り立てるものはなんなんだ。
と、一気に読まされてしまう。
面目をつぶされ責任のなすりあい、主導権争いをする警察の中で鷲尾の過去の籠城事件での自分のとった
行動を思い出し、人質の命、犯人の見えぬ意図に苦悩する心理にも、ひきつけられていく。
最後になってようやく絡まった糸がほどけてくるのですが、その動機にちょっと物足りない感も。
うーん、あまりにも無関係な人間殺しすぎ…

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アルゼンチンババア 

アルゼンチンババア アルゼンチンババア
奈良 美智、よしもと ばなな 他 (2002/12)
ロッキングオン
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みつこは、18の時に母を亡くした。
母の死からしばらくして、父が「アルゼンチンババア」と呼ばれるおばさんのところに
出入りしていると友人から聞く。
街はずれの廃屋のようなビルに自給自足で住み、変わっていると周囲から見られている初老の女性だ・・・

キラキラとした表紙、奈良さんのイラスト、生活を切り取ったような写真、ページの半分は英文、
やわらかなばななさんの文章…すべてが1つの作品を作っているようです。
話自体は短いです。ぎゅっと想いが詰められたかんじです。
そんな大きな出来事がおこるわけでもないのですが、みつこはアルゼンチンババア=ユリさんから
大切なものをたくさん教えてもらったんだと思います。
それはごくごく自然の流れで、ユリさんってステキな女性だなぁって思いました。
見かけは猫の毛にまみれてようが、ほこりの中で住んでいようが、ワシ鼻であろうが、そんなことは関係ない。
みつこの父が惹かれていくのも、わかります。
すべてを受け入れて包み込んでくれる女性なんです。
ユリさんがみつこに言った言葉は、愛する者への想いがこもったステキな言葉でした。
こういうふうに思えることって羨ましい気もします。

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製造迷夢 

製造迷夢
製造迷夢
posted with 簡単リンクくん at 2006. 9. 2
若竹 七海著
徳間書店 (2000.11)
通常1-3週間以内に発送します。

渋谷猿楽町書の刑事一条風太は有名な作曲家が起こした事件のことで
訪ねてきた佐々木絵利子を通じて、井伏美潮と知り合う。
美潮は残留思念を読み取ることができる能力を持っていた。
一条は反発しながらも美潮の協力によって事件の真相にたどりついていくのだった…

連作短編でどれもが、やはり後味の悪いもの。
だけどなにか違う…
いつもはもっとシニカルな部分がヒリッっとするんだけどな。
と考えたのですが、つまり一条と美潮ですね。
若竹さんの主人公、探偵役たちは、どこかクールで、平気な顔で
真相にたどりついていくようなところがありますよね。
まぁ苦しんだりすることもあるのですが…
それがこの二人に関しては、まず二人の関係ありきという気がします。
それに二人とも情があるんだよね…
ヒリッを求めるモノには、ちょいと物足りないかも。
そうはいってもやはり面白かったです。
こうなんだろうなという予想を裏切ってくれる結末が待ってるし。
なんてヤツなんだと思う非道な人間もでてくるし。
真犯人の痛い気持ちも伝わってくるし。
満足のいくものなんだけど、ちょっと物足りないのでした…

「猫島ハウスの騒動」も楽しみだなぁ。

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