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青空のむこう 

青空のむこう 青空のむこう
アレックス シアラー (2002/05)
求龍堂
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交通事故で不意に死んでしまったハリー少年。気がつけば”死者の国”の受付にいた。
150年前に死んだアーサーと出会うが、アーサーは顔も知らない母を捜している。
皆”彼方の青い世界”に向かうのに、なにか心残りがある者は”死者の国”に留まってしまうのだ。
ハリーにも心残りがあった。
事故にあう前に姉のエギーとケンカしたこと。
ハリーはアーサーに連れられて”生者の国”に向かう…


この手の本は泣いてしまうだろうな。と思ったらホントに泣いてしまいました。
でも決してハリー少年が悲観的ではないのです。
死んだことを悔やんではいるのですが、でも受け入れてるんですよね。
こういうのって宗教の違いなんですかね?
死後の世界についても、なんだか違うなと思って。
仏教だと極楽と地獄にわかれるじゃないですか、他の宗教ってどうなんだろ。

自分が死んだあと周りの人はどう思っているのか…
ハリーがいなくても日常は動いている。友達も前に向かってる。
わかってはいても、一抹の淋しさを感じるハリー。
だけど天敵と思っていたヤツの本当の気持ちを知り、ハリーも本当の自分の気持ちに気付く。
そして家族のもとに…

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大統領の最後の恋 


大統領の最後の恋

  • アンドレイ・クルコフ
  • 新潮社
  • 2940円
Amazonで購入
livedoor BOOKS
書評/海外純文学




セルゲイ・ブーニンは孤独だった。22歳で結婚に破れて以来、どの恋にも空しさと悲哀がつきまとう。
ソ連崩壊後、政治の世界に足を踏み入れ、遂に大統領にまで昇りつめたが、真の愛は手に入らない。
だが、政敵との闘いの日々、移植手術を受けた彼の心臓の「持ち主」と名のる謎の女性が現れると、
運命は過去と交錯し、大きく動き始める。

セルゲイ・ブーニンの仕事や恋に悩む青年期、結婚生活に悩む壮年(?)期、
大統領になり孤独な老年(?)期。
この3つの時代が順番に展開され、細切れに読むのでなかなか前に進めませんんでした。
だけど青年期に起こったことが壮年老年に繋がっていき、おぉそういえばこんなことがあったよねと
見つけたときはちょっと嬉しい。
ウクライナの話なのですが、世界情勢に疎い私、ちょっとわからない部分もありました。
私が学生の頃はまだソ連だったのですが、ソ連が崩壊してからのことは正直わからないです。
この本でわかるのですが、物資が不足しているということ。
ブーニンの母が苦労して物資を調達してくるんですよね。
それに共同住宅への執着。まだまだ豊かさにはほど遠いのです。
大統領とはいえいつ覆されるかわからない情勢。
今の日本には考えられないですよね。厳しいんだよね。
こういう背景を理解していればもうちょっと楽しめたかな。
それにしても青年期のブーニンがとても大統領になるとは思えない。
いい加減な酒飲みの青年だったのに。不思議。
大統領となってからは孤独ですね。
心を許せる者がそばにいないことはかなりのストレスなのですね。
これから先の彼の人生はどうなるんだろう…
まだまだ模索は続いていきそうですね。

冬の犬 

冬の犬 冬の犬
アリステア・マクラウド (2004/01/30)
新潮社
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カナダ東端のケープ・ブレトン島を舞台にした8編の短編。
厳しい自然に暮らす人々、動物たちの息づかいが聞こえてきそうな1冊です。
いずれも少し前の時代のようで、何をするにも人間の手が必要といった時代。
島の冬は想像を絶するもので、厳しく淋しく容赦なくやってくるのです。
表題作の「冬の犬」は、まさに読んでいるだけで凍りつきそう。
一番印象的だったのは「島」
島に生まれ島で育った灯台守の娘。
ただ1度恋をするのですが、結果的にはツライ恋に終わり両親の後をついで灯台の仕事を孤独に
こなしていくのです。
これが読み終わると、ふぅっと切なくなってしまったのです。
孤独な女=可哀相な女と思ってしまいがちですが、彼女にとってはこの暮らしこそが支えになってるところが
あるのかもしれないですね。
カナダは移民の国で、このケープ・ブレトン島はスコットランドからの移民が多いようです。
あとがきを読めば、スコットランドを追われて移民してきた民族であり、彼らがゲール語を大事にしている
ことからも民族の誇りを感じさせます。
歴史というのは脈々と続いているのですね。
世界史に疎い私は、あいまいなことしか知らなかったです。
こういった事実も踏まえて読めれば、もっと興味深く読めたかもしれないです。

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わたしを離さないで 

わたしを離さないで わたしを離さないで
カズオ イシグロ (2006/04/22)
早川書房
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優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。
キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。
キャシーは親友のルースとトミー達と過ごしたヘールシャムの日々を思い出す…


なんだろう、この読後感は…
読んでいくうちにヘールシャムの施設が、単なる施設じゃないことに気付く。
なぜなら彼らに親の存在を感じないのだ。
提供?介護人?
謎を含ませ淡々と物語が語られていく。
そして事実がわかっていくのだが、決してドラマチックに語られることもなく、至って平静に語られていく。
彼らは自分達の運命を抗うことなく受け入れているように思えるのだ。
何故生まれてきて、何故使命を遂げていくのか…
何気ない青春の日々を振り返っているように見えるのですが、底にあるのは言いようのない思い。
同じように考え、恋をし、友情を育むことだってできるのに。
抑制のとれた文章は読後に、じわじわと波を押し寄せてくる…

ある秘密 

ある秘密 ある秘密
フィリップ グランベール (2005/11)
新潮社
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一人っ子で病弱な少年が、兄の幻想を抱く。
ある日母親と一緒に上がった屋根裏で、本当に兄がいた形跡を感じる。
15歳になった少年に、戦時下を両親と暮らしたルイーズが秘密を彼に伝える…


理想の兄の幻想に、不安にさいなまれる少年…それだけはないのです。
途中から胸が締め付けられる思い。
迫害から逃れパリに逃げてきたというのに、パリは独軍の占領下に置かれてしまうのです。
そんな時代の下での両親の秘密。
倫理的にもたいへん切なく、それ以上に不幸が耐えられない悲しみを連れてくるのです。
あのときの選択…嫉妬、復讐、自暴自棄…いろんなことが考えられるのです。
それを止めることも出来ず、ただ見ているだけしかできなかった人たち。
様々な悲しみ、思いがとてもツライのです。

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チョコレート・アンダーグラウンド 

チョコレート・アンダーグラウンド チョコレート・アンダーグラウンド
アレックス シアラー (2004/05)
求龍堂
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選挙で勝利を収めた健全健康党によってチョコレート禁止法が発令された。
チョコレートだけでなく甘いものが禁止され、店からはあらゆるお菓子が消え、
とても食べれたものじゃない代用菓子が並べられる。
チョコレートが大好きな少年ハントリーとスマッジャーは、行きつけだったバビおばさんの店の倉庫に
チョコの材料を見つけ密造することを思いつく。
チョコの密売人となり、地下チョコバーを開くのだが…


たかがチョコ?お菓子くらいなんて思ってませんか?
いえいえこれはたいへんな問題なのです。
小さな包み紙のチョコさえ、チョコレート探知車によって発見され強制施設に送られてしまうのです。
しかも何故こんな迷惑な法律を作ってしまうような政党が勝利したのかというと、政治による無関心から!
誰もこんなとこに投票しないよ、という気持ちから選挙に行かない人が増えたからなんですよ。
これってどこの国でも当てはまることじゃないですか!
あとがきにも書いてあったのですが、「チョコレート」を「自由」に置き換えて考えてみてください。
自由を奪われてしまうんですよ、圧力によって。
結構メッセージのある話なのです。
こういうことは抜きにしても、楽しい話でした。
ハントリーとスマッジャーの二人が、少年ながら頑張ってるんですよ。
いい大人よりも女・子供が、不当な圧力に戦いを挑んでるんです。
その行動力はすごいです。
でもさぁ、チョコレート探知車とか抜き打ち検査とか怖いと思いません?
なんか妙なピリピリムードが漂って、いい国にしようって心意気が感じられませんよね(笑)
児童書ともいえるようなわかりやすい話なので、この厚みじゃなければウチの子供にも薦められるのになぁ…

穴 

穴
ルイス・サッカー (1999/10)
講談社
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デブでいじめられっ子のスタンリー・イェルナッツは代々ツイていない家系だ。
それは「あんぽんたんのへっぽこりんの豚泥棒のひいひいじいさん」のせい。
そのスタンリーが、無実の罪で「グリーン・レイク・キャンプ」という名の少年収容所に入れられる。
そこは炎天下の中、毎日ひとつずつ穴を掘り続けなければいけないのだ…


なぜ「穴」を掘らなきゃいけないのか?
しかも炎天下の中、猛毒の黄斑とかげだっているのに。
その謎はだんだんと解けていきます。
スタンリーの家系がなぜついてないのか、グリーン・レイクがまだ湖だった頃の美しい教師とタマネギ売りとの
恋の話、ひいじいさんを襲った「あなたにキッスのケイト・バーロウ」の話。
ひとつひとつはバラバラの話だけど、最後には繋がっていくのです…
スタンリーも最初はいじめられることに慣れていて、仲間にも心開くこともなかったのだけど、
穴堀り仲間ゼロとの出会いが彼を変えていく。
やっぱりこれも少年の心の成長が描かれているんですよね。
心も体もたくましく強くなっていくのです。
「グリーン・レイク・キャンプ」の女所長も、キャラがもろに悪役!っていうかんじで魅力的です。
爪が怖いわ~。

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