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やさぐれるには、まだ早い! 


やさぐれるには、まだ早い! (ダ・ヴィンチブックス)やさぐれるには、まだ早い! (ダ・ヴィンチブックス)
(2009/12/02)
豊島ミホ

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「L25」というフリーペーパーの連載されていた豊島さんのエッセイをまとめたものです。
1つの話が短いので、合間に読むのにちょうどいい。というか豊島さんが面白いのですよ。
彼女の感性は普通よりちょっとだけ違っているような、といって不思議ちゃんというわけでもなく友達にいたら面白いというかんじなんですよね。
ところが最後のほうで、バタバタっと実家に帰っちゃうんですよね。
そう、今休業されているんです。なんだか複雑な心境です。
読んでいてどこかツンと胸に刺さる豊島さんの話は、好きだったんだけどな。
心待ちにしているファンも多いと思うので、どんな形でもいいから書き続けていて欲しいです。
読む側って勝手だな…

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悼む人 

悼む人悼む人
(2008/11/27)
天童 荒太

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直木賞受賞前に予約していたので、比較的早く図書館から借りることが出来ました。
楽しみにしてた本なのですが…
亡くなった人々を悼むたびを続ける静人。誰に愛され誰を愛しどのように人に感謝されたいたか訪ねその人を記憶に刻み悼む。
彼と出会うことでいろんな意味で転換を迎えた週刊誌記者の蒔野が印象的。彼が追いかける事件、父親との確執など、現実的で身につまされる思いでうっとくるとこがあった。
末期がん患者の静人の母巡子。彼女が死を迎え入れていく日々はある意味幸せなのかもしれない。
ただだからこそあの最後でよかったのかと不満が残る。
静人に関しても理解が難しいところもあった。死んだ人の情報を得るために新聞や週刊誌を読んだりするところがあるのだけど、なんだか死を求めているようで不快に思えてしまった…
人の生死を考えるには素晴らしい作品だと思う。ただ後半は私には不満が残る展開だった。
丸くおさめて欲しいわけじゃないんだけど、悔いが残ってしまうんじゃない買って思う。
彼が現実を受け入れる時、どう思うのだろう…

リリイの籠 

リリイの籠リリイの籠
(2007/12/14)
豊島 ミホ

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仙台の女子高が舞台の連作短編。
いつものように微妙にリンクしていて、それを探すのも楽しい。
女子高生って繊細なんだな。友達のようで友達ではないのかって思わされたり。
相手より優位にたつようになってたり。女の子同士って不思議。
自分もそんな時期を過ごしてきたはずなのに、懐かしいという感情はなかった。
女子高生の話より、先生たちの感慨のほうが好きだったな。といっても先生も若いんだけど。

それにしても田舎の高校生はやはり東京に出たいもんなんだろか。
豊島さんの話はなんだかその思いが強いような気がする。

東京・地震・たんぽぽ 

東京・地震・たんぽぽ東京・地震・たんぽぽ
(2007/08)
豊島 ミホ

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もしも今住んでいる所で地震が起こったなら…
東京で大地震が起こり、様々な人々が被害を受け避難を強いられる。
地震が起こる前→地震当日→避難の日々→その後…
という時間の流れでいろいろな人のドラマが展開されていく。
微妙にリンクしているのですがそれが妙な胸騒ぎを起こしていくのです。
やっぱり一番救われないのは、若い夫婦のとこですよね…
ママのプリンと笑う子供がかわいそうです。身勝手なのは大人なんですよね。

先日読んだ本とは違って、前に向かってといった終わり方じゃないんですよね。
不安を提起してそのままなのかよ~と、ちょっとモヤモヤします。
だけどそれぞれが解決の道を見つけてくれるのではないか、地震というものを体験してからこそ
強くなっていくんではないかと、思いたいです。

逃げることの出来た人間と逃げなかった人間…二人の別れ道がなんとも。

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白楼夢 


白楼夢―海峡植民地にて

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livedoor BOOKS
書評/ミステリ・サスペンス



1920年代、英国植民地シンガポール。大物華僑の娘、呂白蘭の死体を発見したことから、
日本人青年・林田は殺人の嫌疑をかけられ、警察と呂一族の双方から追われることになる…


この時代では、一旗あげようとした日本人がゴム園などの事業を起こしにシンガポールに
やってきていたようです。
林田も同じようになにかを始めたいとやってくるのですが、日本での学生時代の友人が
この地の大物架橋の息子で、それが理由で日本人たちから一目置かれる存在となるのです。
もちろん先にシンガポールにやってきている日本人たちは海千山千をこなしてきた者たちばかり。
林田がどうやって渡り合っていくのか、これが面白いんですよ。
サクセスストーリーですな。映画みたい。
冒頭で大物架橋の娘であり、友人の妹である白蘭の死体を発見するのですが、ここではまだ
白蘭との関係はわからないのです。
この事件と林田のシンガポールでの出来事とが交互に語られ、謎を深めてるのです。
信頼を勝ち得ていたはずの林田がナゼはめられたのか…
色々な要素で楽しめました。
舞台が大正の頃でレトロでモダンな雰囲気で、一昔前の日本映画のようでした。
勝気でわがままな白蘭タイプって、この手の映画のヒロインにピッタリです。
この地に娼婦として連れてこられている日本人の耐えている姿と対照的です。
こういう時代があったことを知るいいミステリでした。

神田川デイズ 

神田川デイズ 神田川デイズ
豊島 ミホ (2007/05)
角川書店
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豊島さん初読みです。
以前から評判のいい豊島さん、だけど高校生モノなんだよねとなぜか手にとらず、
「神田川デイズ」は大学生の話というのでようやく手にしたのでした。
東京にあるとある大学が舞台。
2部があったり、学部も多そうで大きな有名大学だと思われる。
連作短編となっていて、いずれの主人公も冴えない大学生活を送っている。
地方からでてきて、大学生になればなにかが変わると願っているけど実際は
そうでもなくモンモンとすごしているのです。
あぁそれぞれにこうやって悩んで、はじけていくんだよね。
微妙に登場人物がリンクしていて、あっこの二人付き合うことになったのね。などと微笑ましい。
そう微笑ましいのよね、皆。
だけど星子ちゃんだけは最初と最後の印象がかなり違ってくる。
なにも苦労のないかわいらしい子と思っていたのに。
彼女はこれからも応援したい人物ですね。

症例A 

症例A 症例A
多島 斗志之 (2003/01)
角川書店
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新しくS病院に赴任してきた精神科医の榊は17歳の少女亜左美を担当する。
前任者の診断では「分裂症」となっていたが、榊は「境界例」ではないかと疑う。
その診断をめぐって臨床心理士広瀬由紀は、異論を唱えてくる。
そして由紀はある精神分析医に会って欲しいと榊に言ってくる…

面白かったです!
いろいろな要素が組み合わさりボリュームがあるのに飽きることがなかったです。
主人公である榊には、過去の患者で苦い経験があり同じ過ちを繰り返してはいけないと
亜左美には慎重に接するのです。
この亜左美という少女もクセ者。人を気まぐれで振り回すし、同性から見たらイヤなタイプなのです。
これに広瀬由紀がどう絡んでくるんだと思ったら、そうなの!?という展開で驚かされるのですが
その説明役となる精神分析医岐戸医師の登場で、安っぽい展開にはならないのです。
精神を患う病気のことも非常に詳しくわかりやすい。ガリバー旅行記の話も知らなかった。
今では「分裂病」とは言わないそうですがあえてそのまま使っているそうです。
「多重人格」も北米だけで、それ以外の地域では疑問視されてることも知らなかった。
なんだか知らないことが多いのだなと実感。
精神病院での話と東京の博物館での疑惑が交互に出てきて、いったいどこで繋がってくるんだと思っていたら
ミステリーらしく繋がりました。
この部分はいるのか?とも思ったのですが、以前読んだ「汚名」も戦中戦後が扱われていたし
戦争によって何かが狂わされた人々のことを伝えたかったのではと、思いなおしました。
最後がちょっと不満なのです。もうちょっと先まで進んで欲しかった。
亜左美はこれからどうなるんだろう…知りたいしいい方向に進んで欲しいです。
気になる終わり方はモヤっとします…でも面白かった。

汚名 

汚名 汚名
多島 斗志之 (2003/01)
新潮社
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高1の頃私は従姉の美那と藍子叔母の元にドイツ語を習いに通っていた。
叔母は人と関わりを持たず私達にも無関心な態度だった。
そして孤独なまま亡くなった…
それから数十年美那の母親の葬式で美那と藍子叔母の話になり、藍子叔母の過去に触れることとなる…

藍子叔母の輝いていた時代は戦時中。
明るく美しく恋に一本気な叔母の姿と世捨て人のように生きる晩年の姿が重ならない。
何があったのか…それを謎解くように物語は進んでいく。
そして突き当たったのは戦時中日本を揺るがした大事件。
叔母は渦中の人物の関係者としてどのように世間から見られていたのか…
話の内容はとても興味深い。だけどひとつ物足りない。
側面でしか見ることができないからなのか。
それとも意外な結末に興ざめなのか…

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綺譚集 

綺譚集 綺譚集
津原 泰水 (2004/08)
集英社
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怖ろしく耽美な話がぎゅっと詰まった短編集です。
タイムリーと言ってはいけないのですが、いじめを扱った「夜のジャミラ」が
1番怖かった。夜に読んだし。
いくつかの話の中に死んだことを受け入れることができないの者たちがいたのですが、
ほんに怖ろしいことです。
死んでもなお苦しみを背負わなければいけないなんて。
この世にはあの世にいけない魂が数多の数漂っているのかもしれないですね。
それにしても普通の世界からいきなり不条理な歪んだ世界にかわるのがスムーズで、
不思議な感覚でした。
狂気は紙一重のところに潜んでいるのですね。
語り口調の文章が美しいです。
血まみれだろうが、腐っていようがその美しさを受け入れてる自分も怖いです。
津原世界に引き込まれちゃうんですねー。

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夜市 

夜市夜市
恒川 光太郎

角川書店 2005-10-26
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何でも売っている夜市。
幼い頃夜市に迷い込んでしまった祐司は、夜市から抜け出すために
弟と引き換えに「野球選手の才能」を買った。
夜市から現実の世界に戻ると、そこには弟の存在自体が消えていた…
罪悪感を抱えた大人になった祐司は、友人のいずみを誘いもう1度夜市に足を踏み入れる…

「夜市」もよかったのですが、もう1つの「風の古道」のほうが好みでした。
不思議な道に迷い込んでしまった二人の少年の話です。
そこは人間の世界じゃないんですよね。
踏み入れてはいけない領域に踏み込んでしまった彼ら…
この話に風穴を開けられました。
なんともいえない悲しみが満ちていますよね。
どうして迷い込んでしまったのか…
運命は皮肉です。
結末も悲しいものなのですが、これから彼が背負っていかなければいけないものを考えると、重いです。
軽々しく入ってはいけない世界があるのでしょうね。
ホラー大賞らしいのですが、ただ怖いっていうホラーじゃないです。
やるせなく悲しいです。

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