スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

横道世之介 

横道世之介横道世之介
(2009/09/16)
吉田 修一

商品詳細を見る


この本、すごく好き。よかった。
長崎の田舎町から東京の大学に進学した横道世之介の1年。
ちょうどバブルの頃で、私の大学生活の頃がその名残りの頃だったので、大体がかぶっていて今じゃ考えられないような華やかさが懐かしかったりします。
なにより魅力的なのが横道世之介。なんかねー、フワフワとしてスキップしながらまわりにお花が飛んでるようなんですよ。かわいい。なんてチャーミングな男の子なの。
図々しい面もあるんだけど、どこか憎めないんですよ。
世之介の関わった人たちのその後が途中途中に挟まっていて、生活の匂いを感じさせます。
彼らはなにかしら世之介の影響を受けているんですよね。
でもそれって誰にでも言えることなんですよね。私だってもしかしたら誰かに影響を与えているのかもしれないってこと。そういう人と人とのふれあいが、押し付けがましくなく描かれていてるんです。
ガールフレンドの祥子ちゃんとのエピソードは、じーんとしましたね。2人が長崎で出合った事件は、ホントに世界観が変わること思うんですよ。自分の無力を叩きつけられ、それを消化させていくところが若さを感じさせます。
2人が付き合うことになって、喜んだ人も多いことだと思います。

世之介の最後…これは彼らしい最後だったのかな。大人になっても飄々としていて、なんのためらいもなく手をさしのべる人になっていたのかな。
祥子ちゃんとの約束、どこまでかわいい男なんだか。

本屋大賞にノミネートされてるんですけど、個人的にもう「横道世之介」でいいと思います^^

スポンサーサイト

さよなら渓谷 

さよなら渓谷さよなら渓谷
(2008/06)
吉田 修一

商品詳細を見る

どうしても「悪人」の印象が強かっただけに、ミステリーとして読むとイマイチなような気がするのですが、これはこれで成立なのかな。
隣の主婦が起こした幼児殺人事件を発端に、隣人である主人公に向けられる疑惑。
そして主人公の過去も調べられある事件の加害者だとわかる。
主人公の俊介が若い日に犯した事件は若さからきたものか、その時は糾弾されているのだけどいつのまにか忘れられひやかしのネタにまでなってる。
俊介自身はひきずっていたのかもしれないけどね。なんかそういう犯罪って加害者側からはそんなに罪悪を感じるものじゃないのか?
被害者からすると一生忘れられない汚点だろうに…
隣人の起こした事件はあまり重要ではなく、どちらかといえば恋愛小説なのかしら。
こうやってしばられて生き続けなければいけないんだろうね、この二人。


静かな爆弾 

静かな爆弾静かな爆弾
(2008/02)
吉田 修一

商品詳細を見る


ネッ友さんと吉田さんの新刊の話になり、間違って図書館で借りてきた本です。
新刊は「さよなら渓谷」でした。こっちはラブな話です。
出会いも唐突だったのですが、テレビ局に勤める俊平が出会った女性響子は耳が不自由だったのです。
健常者が普通に暮らす世界と、音がない世界は異質な世界なんです。
普段は気付かないことかもしれないけど、こうして身近になってはじめてわかることなのかもしれないです。
決してマイナスな意味ではないんですよ。彼女にとってはそれが彼女の世界なんですから。
ただこの響子という女性は非常に魅力的でして、私も彼女に惹かれてしまいました。
映像化するなら麻生クミちゃんだな。非常に透明感のある女性なのです。
普段こういうラブな話は苦手なのですが、お願い別れないで!と思わずにいられないほど引き込まれました。
タイトルを考えれば深いなぁと思わされます。

さぁ次はミステリーの「さよなら渓谷」を借りてこなくっちゃ。

悪人 

悪人 悪人
吉田 修一 (2007/04)
朝日新聞社出版局
この商品の詳細を見る

福岡の三瀬峠で保険外交員石橋佳乃の遺体が発見される。
同僚の前では彼氏と思われる人物と待ち合わせをしていたはずだが、その夜約束していたのは
長崎に住む土木作業員加害者清水祐一だった…


あわわー、これは久々にズシッとくる本でした。
「悪人」とタイトルが銘打ってあるのに、悪人がなかなか出てこない。
佳乃を殺したのかと思われる人物、清水祐一は朴訥で無口で母親に捨てられ祖父母に育てられ
その老いた祖父母達の面倒を見、ただの車好きの青年なのです。
こんな人付き合いが苦手なような青年がなぜ…なんだか直視していられない気分。
かえって殺された佳乃、彼女の想い人増尾のほうが悪人。
ただこれぐらいの人間はごまんといるだろうから、悪人とは言えないのですが。
しかし何がすごいかっていうと、佳乃、祐一を取り巻く人々の綿密さ。
彼らの背景が詳しく語られれば語られるほど、佳乃、祐一たちの違う側面が浮き彫りになってくる。
両親から見れば殺された佳乃は愛しい存在だが、まわりから見た彼女は違う。
視点が変われば違ってしまう。痛々しいくらいに。
祐一の「どっちも被害者になれん」ってのが、心に刺さります。

ただ自分なら見ず知らずの人に会おうともついて行こうとも思わないのですが…
でも自分が被害者にも加害者にもならないとは言えないです…

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。