スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

IN 

ININ
(2009/05/26)
桐野 夏生

商品詳細を見る


小説家であるタマキが、緑川未来男の「無垢人」に登場する○子を追求していく物語。
「無垢人」とは私小説とも言え、妻子がある緑川が愛人○子の存在に家庭が壊されていく話。
タマキ自身も不倫を清算した後で、「無垢人」に自分をどこか重ねているかのようだ。
とはいえ、少しもの足りなさがある結末でした。
私にはタマキが桐野さんとだぶってしまって、「IN」は私小説なんじゃないかと思わされてしまいました。
上手く作者の術中にはまったかしら…

スポンサーサイト

東京島 

東京島東京島
(2008/05)
桐野 夏生

商品詳細を見る

夫が退職したのを機に夫に連れられ清子は世界一周の船旅に出たが船は難破、たどり着いたのは無人島だった。
数ヵ月後若者を乗せた船が難破、清子たちの住む無人島に流れ着く…

いやぁ面白かった。あまりにリアリティがなくて、彼らの狼狽ぶりを想像するだけで面白かった。
島には女は清子一人。若い男たちに囲まれてパラダイスかって思うかもしれないが、そうはいかないのが桐野さん。すごいね、エゴだよ。
リーダーシップを発揮するものもおらず、まとまってるようでまとまってないのは今の若者ってことなんだろうか?
途中から中国人たちがまた島に投げ出されるのだけど、こっちのほうがまとまっていてたくましいのはなんかほんま日本人ってひ弱なんだわって思わされる。
話が進むにつれどんどん滑稽になって、ワタナベのとこで笑ったわ。こうもまぬけぶりを発揮されては一生無人島から脱出することはムリなんじゃないかって思ってくるよ。
こういう読み方っていけないかしら…

実際にこういう事件が戦時中にあったそうです。アナタハン島事件だそうです。
同じように31人の男の中に女が1人…
絶対イヤだよ、私。


メタボラ 

メタボラ メタボラ
桐野 夏生 (2007/05)
朝日新聞社
この商品の詳細を見る

沖縄の森をなにかから逃げる男。
しかし何から逃げているのか、自分は誰なのかここがどこなのかさえもわからない。
記憶を失った男が出会ったのは昭光という宮古島出身の男。
昭光もまたとある施設から逃げてきたところだった。
昭光から男は「銀次」という名前をつけてもらうことに。
男たちはコンビニ店員に救われ、彼女のアパートに行くのだが…

男が主人公のせいかいつものようなドロっとしたとこがあまり感じないような気がしました。
沖縄が舞台ということで、緩やかなのかな。
でも転がっていくようなこの男達の運命にひきつけられる。
それにしてもこういう生き方をしている人たちが結構いらっしゃるのですね。
私が若い頃はバブルの名残りが残っている頃で、ブランド志向が強かったような気がします。
でも生活できればいいって感じなんですよね、ここに登場してくる人たちって。
根の生えた生活をしようとすればしがらみが生じてくる。どっちがいいものか。
なんか羨ましいような、かといって自分の子供達がこうなってしまうとなると
やめて~と思ってしまったり(笑)

ギンジの過去は、悲惨なはずなのにあまり悲惨に感じなかったのですが、どうでしょうか?
どこかギンジの人の良さを感じてしまったからなのでしょうか?
ムムムー。どん底に落とされてなにがなんだかわからなくなる桐野ワールド中毒に
なってるのかしら、私。
ちょっと物足りなさも感じながら、メタボラはメタボラで面白かったと思うのでした。

魂萌え ! 

魂萌え ! 魂萌え !
桐野 夏生 (2005/04/21)
毎日新聞社
この商品の詳細を見る

定年退職した夫隆之と平穏に暮らす59歳の関口敏子。
ある日、隆之が心臓麻痺で急死してしまう。
8年ぶりにアメリカから長男の彰之一家が帰国するが、アメリカを引き払い敏子と同居を提案してくる。
遺産の問題の上に敏子に夫の生前の愛人問題まで降りかかってくる…

面白かった!といったらいけないかな。
というのもちょっとリアルですよね。
ちょうど私の母と敏子が同年代なのですが、同じように夫に依存しているというか
二人で老後を…と思っている世代なんですよね。
父が亡くなった時の喪失の辛さも見ているので、敏子の気持ちもよくわかるんです。
私達世代とは依存度が違うんじゃないでしょうか。
敏子の場合その上にいろいろな問題や出来事が降りかかってくるんですけどね。
そういう意味では敏子は恵まれていたのかもしれないなぁ…なんて思ったり。
一人で生きていくというのは覚悟が必要なのかもしれないですもんね、今まで頼る人がいた場合には。
敏子の周りの人たちもユニークでした。
栄子なんぞは、そばにいればウザイと思ってしまうけどどこか憎めない。
塚本は年をとってもこんなズルイ男っているのね~。
年寄りでも恋の花を咲かせることができるのねと妙な感心をしたり。
さて愛人問題にしても、一筋縄で終わらないところが桐野さんらしいかなと。
一輪挿しの請求書当たりなんか、ちょっとした毒ですよね。
いつものドロドロはなかったけど、桐野さんは目のつけどころが違いますね。
敏子が最初と最後ではずいぶん印象が変わってくるところも、読みどころかな。

桐野さんは古着が好きといろいろなところで聞いたり見たりしているのですが、
彰之の商売もこういうところからきてるんでしょうね。
桐野さんのアンテナってすごいんだろうなぁ。

残虐記 

4104667013残虐記
桐野 夏生

新潮社 2004-02-27
売り上げランキング : 46,531

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

桐野さんって読者が苦しむ姿を見て楽しんでいるのではないかと思ってしまう。
この「残虐記」も「グロテスク」「I'm sorry mama」同様何が真実で何が嘘なのかわからない。
真実にしても嘘にしても悪意に満ち満ちている。
その毒気にあてられ、なんともいえないもやーっとした感触が残ってしまう。

続きを読む

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。